Thursday, November 4, 2010

CAR BRA

高速道路などでの飛び石による車の傷を防ぐ目的で車に装着するCAR BRA。

今までは、あまり必要とは思ってなかったんだけど、先月の遠出がきっかけで長く車に乗る時は、あってもいいよなと思い、MOON EYESで購入。アウトレットセールとかで思いのほか安く買えた!これもタイミングか。



今日は天気がよかったので試しに装着。なんだかとても男らしいルックスになりました。

Wednesday, September 29, 2010

イグニッション・ロック・シリンダー交換

先週,無事に福島の会津若松まで車で往復しました。

ツーリングに気持ちいい季節だし、日頃から車を思いっきり走らせたいという願望があったのでかなり満足!楽しかったです。先日交換したシートも快適でした。

また車ネタになりますが、このツーリングの前にキーシリンダーを交換しました。

少し前からエンジンをかける時にキーをオンにしてもセルが回らなかったりする症状があり、てっきり、スターターがいかれているのかと思いこんでいたんだけど、いろいろ調べてみたらキーシリンダーの中の接触がいかれていることが判明!

で、キーシリンダーを交換することに。



古い車なので部品が心配でしたが、あっさり日産の純正部品が出てひと安心。



ここだけ新車気分!(格地さんお世話になりました。)



右が新しいキーです!

Sunday, September 26, 2010

DOA - Smash The State

仕事帰りにレコファン(中古レコード屋)に寄ったらカナダのパンクバンド、D.O.AのDVDを発見!おぉ懐かし~とパッケージをよく見たら、なんと1978年-81年までのライブ映像!これは見たいと迷わず購入。(しかも新品で780円!!)



自分が二十歳くらいのころは、D.O.Aの初期の音源は、日本では、なかなか手に入りにくくて、ファーストアルバムをカナダのバンクーバでようやく買えたんだよな~とか思いながら見始めたら・・

もう滅茶苦茶カッコイイ!!

ギター・ボーカルのジョーイ・シットヘッド、ベースのランディ・ランページ、ドラムのチャック・ビスケッツ、この初期の黄金期のメンバーのライブ映像が見れるなんて!

特にベースを低い位置に構えてアクションを決めまくるのランディ・ランページのかっこよさったらない。

ちなみに激しいパンクをハードコアとかハードコア・パンクというようになったのは、D.O.Aの81年に出た2ndアルバムのタイトル「Hard Core 81」が広まったから。

Wednesday, September 15, 2010

シート交換!

私が乗っている車のシートがボロボロで(特に運転席側!)乗るたびに腰が痛くなって困ってたんだけど、先日ようやくインターネットオークションで同じ車種の中古シートを手に入れた!!




掃除してカバー(ボロ隠し?)をかけて


前の腰痛誘発シートを取っ払い・・


床が結構錆びててショック・・!(次回の課題)


無事にシートを交換しました。

以前に比べると雲泥の差、ようやく普通の乗り心地になりました。
来週は、この車で遠出(往復600キロ)する予定です!

Saturday, September 11, 2010

Harold And Maude

久々のブログ更新!ちゃんと書かねば・・!

もう1ヶ月以上前になるけど、1972年の映画『ハロルドとモード』のリバイバル上映を見に行った。



1970年代のサンフランシスコの風景・雰囲気、全編に流れるキャット・スティーブンスの歌、脚本、キャスティング、すべてが絶妙なバランスで成り立っている。

一般にカルト映画と言われる映画は、たくさんあるけど、本当に素直に感動できる作品。この映画のリバイバル上映を教えてくれたウオーラーさんに感謝!(1970年代末にアメリカで見られたそう!)

モードが盗むエルカミーノやマスタングなど当時のアメ車や霊柩車に改造されてしまう、ジャガーEタイプなど車が好きな人にもおすすめかも。

早速主題歌の「If You Want To Sing Out, Sing Out 」をギターでコピーしてしまった・・!

Tuesday, July 20, 2010

Wednesday, April 28, 2010

雪に閉ざされた村

















「雪に閉ざされた村」 ビル・プロンジーニ
中井 京子訳 扶桑社ミステリー 1974年発行

「クリスマス気分が盛りあがる山間の村。そこは、さまざまな人生模様が交錯する、ひとつの小宇宙だ。だが、猛烈な吹雪で雪崩が発生、幹線道路は分断され、村は外界から孤立した。折悪しく、村はずれには秘密裏に3人の犯罪者が忍びこんでいた。その邪悪なリーダーは、住民全員を抹殺する、おそるべき計画を練りはじめた…果たして村人たちに生き残る道はあるのか?」

「名なしのオプ」シリーズで有名なビル・プロンジーニの初期の作品。

いくつもの伏線をじわじわと張り巡らせ、一気にたたみかけるように展開していくプロットが素晴らしい。職人的なストーリー展開の巧さが光る骨太なハードボイルド作品。

ちなみにプロンジーニは70年代にネオハードボイルドの流れに乗って、名無しの探偵を登場させ、現在に至るまで、多方面に渡る作品を発表し続けている作家。

彼の作品もウエストレイクと同じく絶版が多いのが悩ましいところ。古本屋で見つけたら迷わず買うことにしている。

Monday, April 12, 2010

ビリー・プレストン












ビリー・プレストン 「キッズ・アンド・ミー」 1975年発売

先日、ウオーラーさん宅でサタデー・ナイト・ライブ(以下SLN)のファーストシーズン(1975~1976)をまとめたDVDを観せていただいた。

SLNといえばジョン・ベルーシーやエディ・マーフィーなど世界的に有名なコメディアンを数多く輩出していることや大物ミュージシャン&大物俳優が出演することでも知られているけど、個人的にはなんといっても音楽ゲストに興味津々、普段なかなか見る機会が無いので(You tubeではまず見れない)とてもありがたい!

そんな1975年に始まったSNLの初回のゲストがビリー・プレストン。
















動くビリー・プレストンは、ビートルズ関連の映像くらいでしか見たことなかったけど、いきなり滅茶苦茶カッコイイ!エレピを自在にあやつりながら歌うビリー・プレストンは、もちろんなんだけど、バックバンドも最高にグルーヴィーで一発でノックアウト。

そんなわけでビリー・プレストンの1975年のアルバム「キッズ・アンド・ミー」を早速購入。

必殺ナンバー「ナッシング・フロム・ナッシング」やジョー・コッカーで有名な「美し過ぎて 」感動的な「リトル・ブラック・ボーイズ・アンド・ガールズ」など聴きどころ満載。

そういえばちょうどローリング・ストーンズの準メンバーとしてツアーに参加していた頃だなあとストーンズの76年のツアーパンフレットを引っ張り出してみたら・・
















ほぼメンバー的な扱い!すげー。






















1枚だけ持っているアルバム「That's the Way God Planned It 」(1969 ビートルズのLet It Be Sessionに参加後にリリース)も名曲だらけで大好きなんだけど、このアルバムは、勢いとアッパー感が違う、ビートルズとストーンズ、これは付き合う人間の差か?なんて思ってしまった・・!

なにはともあれ、聴けば元気になる最高のアルバム。おすすめです。
余談だけど、買ったCDがSHM-CDで高音質なのもうれしかった。

Friday, April 2, 2010

3月に読んだ本

3月は、確定申告や仕事で忙しく、あまりブログを書けなかった・・
3月に読んだ本の一言感想をまとめて。









「スカイジャック」トニー・ケンリック
上田公子訳 角川書店 1974年発行

ウエストレイクを彷彿させる軽妙なユーモアと奇想天外なストーリで楽しめた。トニー・ケンリックは、70年~80年代にかけて多くの作品を発表し人気を博した作家(らしい)。知らなかった。









「俺たちには今日がある」 トニー・ケンリック
上田公子訳 角川文庫 1985年発行

「スカイジャック」に続き再びトニー・ケンリック。「スカイジャック」に比べるとプロットはシンプル。軽い読み応え。









「チョコレート・ウォー」 ロバート・コーミア
北沢和彦訳 扶桑社ミステリー 1994年発行

学園を支配する秘密組織に反抗する少年の孤独な戦いを描いた作品。救ようのない結末は強烈な印象を残す。この残酷さと不条理感は、イギリスのミュージシャン、リチャード・トンプソンの世界感にに通じるなあ。映画化もされているらしい。









「ハンニバル」 トマス・ハリス
高見浩訳 新潮文庫 2000年発行









「ハンニバル・ライジング」 トマス・ハリス
高見浩訳 新潮文庫 2007年発行

未読だったハンニバルシリーズ。単純に面白かった。ジェフリー・ディーバーの諸作品もそうだけど確実に楽しい読書時間を提供してくれる作品って貴重だと思う。









「死のロングウォーク」 スティーブン・キング
沼尻素子訳 扶桑社ミステリー 1989年発行

リチャード・バックマン名義で発表されたキングの初期の作品。歩けなくなったら銃殺される青少年ウォーキング大会。「バトル・ロワイアル」の元になった作品。










「ロードワーク」 スティーブン・キング
諸井修造訳 扶桑社ミステリー 1989年発行

この作品も1981年にリチャード・バックマン名義で発表された体制に反抗し破滅していく男の物語。「タクシー・ドライバー」や「バニシング・ポイント」など70年代のニューシネマを彷彿させる作品で楽しめた。物語後半、主人公が愛聴するローリング・ストーンズの1969年のアルバム「レット・イット・ブリード」が効果的に使われるんだけど歌詞の翻訳がイマイチで小説の持つ雰囲気をちゃんと伝えきれていないのが残念。

原書の表紙 カッコイイ!

Friday, March 19, 2010

神は銃弾

















「神は銃弾」 ボストン テラン
田口 俊樹訳 文春文庫 2001年発行

別れた妻とその夫をカルト集団に惨殺され、更に一人娘を誘拐された警察官ボブは、そのカルト集団の元メンバーで麻薬中毒から更生中のケイスの助けを借りながら犯人グループの追跡を開始する。

しかし、彼を待っていたのは、常軌をはるかに逸脱したアウトローたちが暴走するあまりにも殺伐とした世界だった。

ボブは、犯人グループに近づくために顔に刺青を入れ、カリフォルニアやメキシコの砂漠地帯を元ジャンキーのケイスと共に地を這うように追跡を続ける。

シンプルなプロットながら、物語に深く横たわる負の連鎖と深みのあるキャラクター造詣が複雑に絡み会い圧倒的な厚みを出すことに成功している。

いやーこれは紛れもない傑作。 この作品がボストン テランのデビュー作だそうだけど、早速ほかの作品も読みたくなった。

全くの余談だけど、読み進むうちにケイスのイメージがターミネーター2のリンダ・ハミルトン(サラ・コナー)になってしまった!

Saturday, March 13, 2010

タジ・マハール 「Music Fuh Ya'」












タジ・マハール 「ミュージック・ファー・ヤ 」 1977年発売

タジ・マハールが1977年に発表したカリビアンテイスト満載なアルバム。

先月買ったタジ・マハールのベスト盤に続き、もう聴きたくてしょうがなかった1枚。先日中古レコード屋でようやく購入。

スティール・ドラムの浮世離れした響きに有機的に絡み合うタジの独特の野太いスモーキーヴォイス!南国の波の揺らめきや風のそよぎが鮮やかに浮かび上がり、部屋の空気を一変させてくれる。

このアルバムが持つどこまでもリラックスした穏やかな心地良さは、どこかジャック・ジョンソンに通じるなあと思ったら、タジ・マハールの新作には、ジャック・ジョンソンが参加しているらしい。なるほど繋がる、すごく納得!

なんだかひどく得をしたような満足感が味わえる最高の逸品。

Saturday, March 6, 2010

ハイスクール・パニック
















「ハイスクール・パニック」  スティーヴン・キング
飛田野 裕子訳 扶桑社ミステリー 1988年発行

「5月のある晴れた日、ハイスクールの最上級生リチャード・デッカーは、教師二人を射殺し、クラスメイトを人質にとり教室に立てこもる・・一体何が彼を凶行に走らせたのか、そして彼の真の目的とは・・」

この作品は、キングの小説の中では最も古く、キングがまだ高校生のころの1966年に書き始められ、一度は、ボツになるものの何度か改稿が加えられリチャード・パックマン名義で1977年に発売されたもの。

当時、まだ10代だったキングの「若さゆえ」の勢いなのか、たたみかけるようなテンポと切れ味のあるプロットで一気に引き込む。

キング特有の饒舌な筆力は、既に発揮されているんだけど、まるでジム・トンプソンのようなユーモラスな狂気感が全編に漂っていて、いわゆる近年のキングらしさとは、一線を画しているように感じた。

初期のスティーブン・キングも侮れないなあ。

余談だけど、リチャード・スタークの「悪党パーカーシリーズ」が愛読書だった主人公の父親がリチャード・スタークの本名がドナルド・E・ウェストレイクであることを知りウェストレイクを1冊読んで見たものの気に入らず、

「それ以来、ウェストレイク/スタークにたいする父の態度は、ある晩ふいに自分に背いて、喉に噛みついてこようとした愛玩犬にたいするそれになった」

というエピソードが面白かった。(この作品も別名義!)

Thursday, March 4, 2010

ディクティターズ












ディクティターズ 「Go Girl Crazy! 」

ず~っと買いそびれていた元祖NYパンク、ディクティターズの1975年のファーストアルバム。

ぶ厚くラウドなツインギターとデリカシーのないワイルドなボーカル、激しくも70'Sアメリカンロック的なキャッチーな甘さが同居するな名曲の数々。

しかし、何てカッコイイんだろう!

この時代にしか出せない雰囲気が封じ込められている。
剥き出しな熱気と音圧、ロックバンドはこうあるべきと思わせてくれる。



















アフロ・ヘアーのボーカルの"ハンサム・ディック・マニトバ"の元プロレスラーという経歴、そしてメンバーたちのどことなく野暮ったいルックスがなんともいかがわしい。

こんな雰囲気のある連中が出す音がカッコ悪いわけがないね。大名盤。

Friday, February 26, 2010

凶手
















「凶手」 アンドリュー・ヴァクス
佐々田 雅子訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1998年発行

生き別れになった恋人を求めてさすらう孤独な殺し屋の物語。

ストイックなまでに抑制されたムード、徹底的に削ぎ落とした文体そして冷酷なまでの簡潔な描写が見事に作用し、殺し屋である主人公の心の揺れが息遣いのように生々しく伝わってくる。

まるで自らの存在理由を確かめるかのように恋人シェラを求め彷徨う主人公の姿があまりに切ない。

この作品を読むのは二度目だけど研ぎ澄まされたような完成度の高さにあらためて魅了された。

現在ハードボイルドの一つの到達点といっても過言ではない、極めて純度の高い傑作。

Tuesday, February 23, 2010

ニューヨーク編集者物語
















「ニューヨーク編集者物語」 ドナルド・E・ウェストレイク
木村仁良訳 扶桑社ミステリー 1989年発行

60年代から数多くの作品を発表し本名以外にも様々な名義でも作品を残している偉大なるミステリー界の名匠、ドナルド・E・ウェストレイクの1984年に発表された作品。

アメリカ出版界の内幕を描いたどたばた喜劇でニューヨークが舞台。

コメディタッチの手軽に読める作品ながら、ウェストレイクらしい軽妙な可笑しさがあって楽しめた。全編に漂う、どことなく浮かれたムードは80年代特有の雰囲気なのかな。

ウェストレイクは、不運な泥棒の"ドートマンダーシリーズ”やリチャード・スターク名義の"悪党パーカーシリーズ"を読んで一気にファンになったんだけど、60年代~70年代に発行された作品は、すでに絶版になっているものが多く、なかなか読めないのが悩ましいところ。

最近、彼の過去の作品が復刊される動きがあるのは大歓迎!個人的には、悪党パーカー全シリーズの再発熱望!(絶版ものは、高くて買えない・・)

Sunday, February 21, 2010

身元不明者89号
















「身元不明者89号」 エルモア・レナード
田口俊樹訳 創元推理文庫 2007年発行

「ジャック・C・ライアンは裁判所の発行する法的文書の送達人。指定された相手を探し出し、令状や召喚状を持ち前の度胸と機転で受け取らせるのが仕事だ。ある日、ちょっとしたこづかい稼ぎのつもりで簡単に引き受けた人探しの仕事が彼をとんでもないトラブルに巻き込んでいく…。」

映画「ジャッキー・ブラウン」や「ビー・クール」などの原作者としても有名なクライム・ノベルの巨匠エルモア・レナードの1977年に発表された作品。

日本では長らく未発売だったが2007年にようやく発行。こういう復刊は、非常にありがたい!

小説が書かれた1970年代後半の空気や雰囲気がもうたまらない。主人公ライアンの乗るクルマが、警察主催のカー・オークションで250ドルで買ったドアに四つの銃痕のある1970年製の中古のマーキュリークーガーだなんて嬉しくなる。

もちろん小説そのものも最高。デトロイトを舞台にエルモア・レナードならではの人間味あふれるクセのあるキャラクターたちがドライにクールに動き回る。

読み終わるのがもったいない!けど止まらない、そんな理想的な逸品。
おすすめです。

Thursday, February 18, 2010

ランゴリアーズ
















「ランゴリアーズ 」 スティーブン・キング
小尾芙佐訳 文春文庫 1999年発行

この作品は、スティーブン・キングが1990年に発表した中篇小説集「Four Past Midnight」に収録された「ランゴリアーズ」、「秘密の窓、秘密の庭」の中篇2作を1冊にまとめたもの。

スティーブン・キングを読むのは、久々だけど相変わらずの卓越したストーリー・テラーぶり。いつものことながら一気に読んでしまった。

ちなみに、「ランゴリアーズ」は、1995年にアメリカTVドラマとして(2008年国内DVD化)、「秘密の窓、秘密の庭」は、ジョニー・デップ主演で2004年に「シークレットウインドウ」として映画化されているそう。知らなかった!

Wednesday, February 17, 2010

タジ・マハール 「The Essential」












タジ・マハール 「The Essential」 2005年発売

タジ・マハールの1967年のソロデビュー作から2000年までの軌跡が濃縮された2枚組みのベスト盤。

普段あまりベスト盤を買うことは無いんだけどこれは、これは思わず購入!

ブルースなどのアメリカのルーツ・ミュージックに基礎を置きながらカリビアンやレゲエやハワイアンそしてアフリカなど様々な音楽を柔軟に取り込んで独自の解釈で発展させてきたタジ・マハールの長~い音楽の旅が一気に味わえる。これはベストならではの贅沢。

ジェシ・エド・デイビスを従えたデビュー当初のスワンプなブルースから、ウェイラーズとの共演したレゲエ、まるでカリブ海の島で昼寝をしているかのような心地のよい曲など聴きどころ満載。

タジ・マハールと似たような資質を持つミュージシャンとしてライ・クーダーが挙げられるけど(元々一緒にバンドやってたしね)ライが音楽の求道者的な雰囲気があるのに対し、タジの音楽には、色々な国や地域の料理を食らい、自らの血や汗にしてしまうような豪快なたくましさを感じてしまう。

いやーいいなー、やっぱりアルバム揃えよう!

最近、仕事中かけっぱなし!な1枚。

Monday, February 15, 2010

ディック・フランシス












「競馬シリーズ」で名高いイギリスの作家、ディック・フランシスが亡くなった。享年89歳。

競馬そのものにあまり興味がないこともあり、最初は、なんとなく読むのをを敬遠していたんだけど、なにげなく手にした「罰金」(1977年発行)のあまりの面白さに一気に開眼!シリーズをむさぼるように読んだ。

ディック・フランシスは、イギリスの元競馬騎手で引退後、新聞記者になり、42歳の時に「本命」(1962年発行)で作家としてデビューする。

その後、年に約1冊のペースでに作品を発表し続け、40冊ほどの作品を世に送り出す。

2000年、執筆の最大の協力者であった奥さんが亡くなり、以降6年間沈黙する。そして誰もがもう引退してしまったと思っていた2006年、「再起」を発表、彼は復活する。

この時すでに85歳、まるで彼の小説を連想させるようなこの復活劇は、ファンの胸を熱くさせた。

ちなみに「再起」は、シリーズ屈指のヒーロー、シッド・ハレーの4回目の登場だったこともあり、より味わうために前3作を読み返してから読みました。「再起」以降の3作だけは、まだ未読。楽しみにとっておこう。

ディック・フランシスを未読の方は、だまされたと思って1冊読んでみて欲しい、男の不屈の精神に熱くなり、奮い立つこと間違いなし。(競馬に興味なくても全く問題なし!)

余談だけど、以前、電車でディック・フランシスを読んでいたら、偶然にも隣に立っていたスーツを着た年配の男の人もディック・フランシスのハード・カバーを読んでいて、なんか嬉しくなったのを思い出した。

謹んでご冥福をお祈りします。

Friday, February 12, 2010

プロフェッサー・ロングヘア












プロフェッサー・ロングヘア 「Rock 'n Roll Gumbo」 1973年発売


ドクター・ジョン、アラン・トゥーサンらの師匠にして、偉大なるニューオーリンズの"ピアノ・ブルース"のゴット・ファーザー、プロフェッサー・ロングヘアの1973年のアルバム。

1曲目からいきなりヤバイ、カッコイイ!転がりまくるピアノにとぼけた歌声!そして、高揚感あふれるノリノリの曲が次から次へと繰り出される快感!これはクセになる。

まさに人間が踊り騒ぐための音楽!

ライブも凄まじかったようで、ドクター・ジョンの自伝『フードゥー・ムーンの下で』や『ブルースに焦がれて』(大栄出版)によるとピアノをキーボード兼ベースドラムとして使い(足でピアノを蹴飛ばして)、月に1台は、ピアノをバラバラにしてしまってたそうだ。すごい話だなあ・・・

地元ニューオーリンズで50~60年代にかけて何枚かのレコードも出し、ヒットも飛ばすも、音楽だけでは生活ができずギャンブラーが本職のような生活していたという。

プロフェッサー自身もプロのミュージシャンと云う以上に、プロのギャンブラーとしての自覚が強かったというから可笑しい。

ハウンド・ドッグ・テイラーと同じように70年代に白人のブルースファンに"再発見"され復帰作としてレコーディングされたのが今作。

前作のレコーディングから約10年のブランク、しかもわずか3日のセッションで制作されたのに、この圧倒的な素晴らしさ。

すごすぎるぜ、教授!

インパクトのある芸名、味のあるルックスも含めすべてが最高な1枚。

Wednesday, February 10, 2010

ニック・ロウ  「The Convincer」











ニック・ロウ  「The Convincer」 2001年発売


ニック・ロウの2001年に発売されたアルバム。

去年、ライ・クーダーとニック・ロウのコンサートに行かれたウオーラー夫妻に貸していただいた。(いつもお世話になっております!)

ニック・ロウは、彼が70年代にやっていたバンド、ブリンズリー・シュオーツやソロの作品は大好きなんだけど、最近の作品は、なかなか聴く機会がなかったのでとてもありがたい。

正直、そんなに期待していなかったけど、予想以上に素晴らしい内容で、びっくり! 1曲目からいきなり持って行かれた。

美しいメロディー・ラインに全く無駄のないアレンジ、そしてアルバム全体を包み込む水墨画のような淡いトーンが心地よく沁みる。

円熟した大人な佇まいの中にも、イギリス人らしい洒落ッ気があって、(まさにジャケットのポートレイトのよう!)なんとも穏やかな気分にさせてくれる。

まったく、ニック・ロウは、素敵な年の重ね方しているなあ。

夜、仕事を終えて寝る前のひと時にゆっくり聴きたいアルバム。

Tuesday, February 9, 2010

逃切















「逃切」 ディーン・R・クーンツ
菊池 光訳 創元推理文庫 1988年発行

スティーブン・キングと並び称されるモダンホラーの巨匠、ディーン・R・クーンツの初期の作品(原書は、1974年発行)

舞台は、1970年代のペンシルバニア州の競馬場。

タイトルもテーマもディック・フランシスの「競馬シリーズ」を彷彿させるし、翻訳もロバート・B・パーカーやディック・フランシスの諸作でのハードボイルドな名訳で名高い菊池光氏だ!これは 否が応にも期待が高まる!

「ギャサリンは、三六〇度、ゆっくりと向きを変えながら、その二本のカバの木の間の空地を慎重に見渡した。逃走係は、ここで合図を待つ。ここは見通しがきく。木陰に立つ。鳥のほか人っ子一人いない。完璧だ。」

冒頭の雰囲気もイイ!これはハードボイルドなクーンツの隠れた傑作かと意気込んで読んだ・・・!

しかし残念ながら、登場人物が多すぎるし、キャラの描写も今一歩踏み込めていないために物語の焦点がぼやけている。全体的に散漫な印象が否めない凡庸な出来。

ただ今のクーンツのスタイルの原型のようなものは随所に感じられるし、70年代的なザラっとした感触は楽しめた。

クーンツの若き日の記録という点では、興味深い作品。

Monday, February 8, 2010

デレク・トラックス・バンド 「Already Free」












デレク・トラックス・バンド 「Already Free」 2009年発売

オールマン・ブラザーズバンドのドラマー、ブッチ・トラックスの甥にあたり、自身もオールマンに所属しているデレク・トラックスの2009年の作品。

前から気になってて入手しようと思いながらも、なかなか聴けずにいたアルバム、中古で安く見つけたので迷わず購入した。

購入後すぐに車で遠出する用事があったので早速カーステレオに入れたら、もう最高の一言。結局、行きも帰りもずっとこのアルバムを聴きっぱなしだった。

一丸となってグルーヴしまくるバンドサウンドに縦横無尽に炸裂する粘っこくて奔放なスライドギター、これはもう昇天あるのみ。

ブルースやサザン・ロックがベースになっているんだけど、ソウル、ファンク、ジャズなど様々な要素を感じさせる奥深さ、いやーすごい!こんなことならもっと早く買えばよかった・・!

ブラック・クロウズにもいえるけど基本やルーツをしっかり抑えながら自由な感覚でこれまでにない新しい音楽を創り出そうとする姿勢にはホントに頭がさがる。

今年のグラミー賞で『Best Contemporary Blues Album』部門を受賞したのも超納得の素晴らしい作品。ジャケットもいいね。

Sunday, February 7, 2010

グリーンリバー・ライジング

















「グリーンリバー・ライジング」ティム・ウィロックス
東江一紀訳 角川文庫 1997年発行

いやーこれは面白かった。

舞台は、テキサス東部の刑務所グリーンリバー。あることをきっかけに対立していた黒人グループと白人グループはついに全面戦争を迎える。外界から完全に遮断された空間の中で囚人たちの狂気と暴力が爆発する。

複雑にからみ合うプロット、息を吐かせぬ展開、せき立てられるように読むのが止まらなかった。

パニック、冒険、友情、恋愛、神話など、様々な要素が高濃度に圧縮された傑作。おすすめです。

Saturday, January 30, 2010

ハウンド・ドッグ・テイラー












「Hound Dog Taylor and the HouseRockers」 1971年発売

1970年代初頭、シカゴのレコード会社で配送係として働いていた白人青年ブルース・イグロアは、小さなクラブで演奏していた6本指のスライドギタリストに衝撃を受ける。すぐさま勤めていたレコード会社のオーナーにレコーディングさせてほしいと訴え出るが断られてしまう。そこで伯母の遺産5000ドルを使って、自らレーベルを立ち上げ彼のレコードを世に出すことを決意する。

そんなエピソードもイカした、1971年にアリゲーター・レコーズ第1弾としてリリースされたハウンド・ドッグ・テイラーと彼のバンド、ハウス・ロッカーズのアルバム。

歪まくったエグいギターサウンドがなんともガラが悪くてカッコイイ!
まさに全編、場末のクラブ状態。

ちなみにハウンド・ドッグ・テイラーは、この時点で56歳。

このレコードがリリースされる前は、5人の子供を抱えながら、「パーティ、結婚式、クラブには"ブルース&ロックンロール"を」という文句と自宅の電話番号を書いたブックカバーマッチを配ったりしながら、格安のギャラで演奏していたらしい。

そんな、客をノセる、楽しませるといった行為が体の芯まで染み付いた男たちの凄みが詰まっている名作。

このアルバムのわずか4年後にテイラーは亡くなってしまうが、生前よくこう言っていたという。

「おれが死んだら、みんなこういうだろう ― あいつはクソほど弾けなかったが、たしかにいい音させてたぜ!」

Wednesday, January 27, 2010

明日なき報酬
















「明日なき報酬」 ブラッド・スミス
石田善彦訳 講談社文庫 2002年発行

「引退した元花形ボクサー、トミー・コクランは、相棒の黒人Tボーンと故郷へ帰ってきた。祖父の農場を取り戻すため一ヵ月以内に五千ドルの大金が必要になったコクランは、ポーカー、競馬に有り金を注ぎ込むが…」

舞台は、1959年のカナダのトロント。

ボクシングのプロモーター、ポルノ映画監督、ギャンブラー、売り出し中の新人ボクサー、街のチンピラなど、己の欲望・利益に忠実なアクの強いキャラクターがひしめいている、が皆いずれもいい感じに小悪党。

そんなエルモア・レナードの作品にも共通する悪役の人間臭さが1959年の猥雑な街の雰囲気をさらに盛り上げる。

多くを語らずに不利な戦いに挑んでいく主人公の姿や黒人の相棒Tボーンの捨て身の友情に心打たれた。

ひねりを利かせたラストの展開も見事。

読み応え十分の逸品!おすすめです。

Monday, January 25, 2010

ロバート・B・パーカー














ロバート・B・パーカーが亡くなった。

海外物の小説にはまるきっかけになったのが友人に薦められたジェームス・エルロイの「ブラック・ダリア」、そしてロバート・B・パーカーの「探偵スペンサーシリーズ」だった。

ボストンが舞台のこのシリーズ、ハードボイルド小説なのに主人公がスポーツと料理が好きな探偵という設定もいかしていた。

何年も前だけど、一時期よく読んだなあ。

「骨付きバラ肉が焼きあがり、パンがあたたまった。スライスしたズーキーニをビール・バターにつっこみ、少量のオリーブ・オイルでいためた。ひとりぼっちで食事をするのはしょっちゅうだ。なのにきょうにかぎってわびしい気分がする……どういうわけだろう?」
-『失投』より(菊池光訳 早川書房 1985年発行)

料理のシーンもハードボイルド、菊池光氏の翻訳も最高だった。

慎んでご冥福をお祈りします。

Sunday, January 24, 2010

皆殺し
















「皆殺し」 ローレンス・ブロック
田口俊樹訳 二見書房 1999年発行


「友人ミックの手下が、郊外の倉庫で何者かに惨殺された。ミックの依頼をうけて、スカダーは犯人探しを請け負うことになる。だが調査を進めるうちに、スカダーは敵の襲撃にあい、抗争に巻きこまれた周囲の人間までもが、次々に殺されていく……。追いつめられてゆくミックとスカダー。はたしてふたりはこの戦いから生還することができるのか。そして姿なき暗殺者の意外な正体とは…」

ニューヨークを舞台とした「マット・スカダーシリーズ」第16作目。
(第1作は1976年!)

シリーズ物は、読み続けていくと主人公はもちろん、常連のように登場するサブキャラクター達にも愛着がわいてくる。しかし今回はそんなすっかりお馴染みになった脇役達が次々と容赦なく殺されていく。

インパクトのあるタイトルとおり衝撃的な展開を見せながら同時に友情や人生の深みをしみじみと描き切ってしまうバランス感覚が素晴らしい。

裏切り物を始末し、敵地へと乗り込む場面でのスカダーとミック・バルーの会話の味わい深さはなんて、もう最高としかいいようがない。

ハードボイルド界の巨匠の筆が冴え渡る傑作。