Saturday, March 6, 2010

ハイスクール・パニック
















「ハイスクール・パニック」  スティーヴン・キング
飛田野 裕子訳 扶桑社ミステリー 1988年発行

「5月のある晴れた日、ハイスクールの最上級生リチャード・デッカーは、教師二人を射殺し、クラスメイトを人質にとり教室に立てこもる・・一体何が彼を凶行に走らせたのか、そして彼の真の目的とは・・」

この作品は、キングの小説の中では最も古く、キングがまだ高校生のころの1966年に書き始められ、一度は、ボツになるものの何度か改稿が加えられリチャード・パックマン名義で1977年に発売されたもの。

当時、まだ10代だったキングの「若さゆえ」の勢いなのか、たたみかけるようなテンポと切れ味のあるプロットで一気に引き込む。

キング特有の饒舌な筆力は、既に発揮されているんだけど、まるでジム・トンプソンのようなユーモラスな狂気感が全編に漂っていて、いわゆる近年のキングらしさとは、一線を画しているように感じた。

初期のスティーブン・キングも侮れないなあ。

余談だけど、リチャード・スタークの「悪党パーカーシリーズ」が愛読書だった主人公の父親がリチャード・スタークの本名がドナルド・E・ウェストレイクであることを知りウェストレイクを1冊読んで見たものの気に入らず、

「それ以来、ウェストレイク/スタークにたいする父の態度は、ある晩ふいに自分に背いて、喉に噛みついてこようとした愛玩犬にたいするそれになった」

というエピソードが面白かった。(この作品も別名義!)

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