
「凶手」 アンドリュー・ヴァクス
佐々田 雅子訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1998年発行
生き別れになった恋人を求めてさすらう孤独な殺し屋の物語。
ストイックなまでに抑制されたムード、徹底的に削ぎ落とした文体そして冷酷なまでの簡潔な描写が見事に作用し、殺し屋である主人公の心の揺れが息遣いのように生々しく伝わってくる。
まるで自らの存在理由を確かめるかのように恋人シェラを求め彷徨う主人公の姿があまりに切ない。
この作品を読むのは二度目だけど研ぎ澄まされたような完成度の高さにあらためて魅了された。
現在ハードボイルドの一つの到達点といっても過言ではない、極めて純度の高い傑作。
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