
「明日なき報酬」 ブラッド・スミス
石田善彦訳 講談社文庫 2002年発行
「引退した元花形ボクサー、トミー・コクランは、相棒の黒人Tボーンと故郷へ帰ってきた。祖父の農場を取り戻すため一ヵ月以内に五千ドルの大金が必要になったコクランは、ポーカー、競馬に有り金を注ぎ込むが…」
舞台は、1959年のカナダのトロント。
ボクシングのプロモーター、ポルノ映画監督、ギャンブラー、売り出し中の新人ボクサー、街のチンピラなど、己の欲望・利益に忠実なアクの強いキャラクターがひしめいている、が皆いずれもいい感じに小悪党。
そんなエルモア・レナードの作品にも共通する悪役の人間臭さが1959年の猥雑な街の雰囲気をさらに盛り上げる。
多くを語らずに不利な戦いに挑んでいく主人公の姿や黒人の相棒Tボーンの捨て身の友情に心打たれた。
ひねりを利かせたラストの展開も見事。
読み応え十分の逸品!おすすめです。
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