
「競馬シリーズ」で名高いイギリスの作家、ディック・フランシスが亡くなった。享年89歳。
競馬そのものにあまり興味がないこともあり、最初は、なんとなく読むのをを敬遠していたんだけど、なにげなく手にした「罰金」(1977年発行)のあまりの面白さに一気に開眼!シリーズをむさぼるように読んだ。
ディック・フランシスは、イギリスの元競馬騎手で引退後、新聞記者になり、42歳の時に「本命」(1962年発行)で作家としてデビューする。
その後、年に約1冊のペースでに作品を発表し続け、40冊ほどの作品を世に送り出す。
2000年、執筆の最大の協力者であった奥さんが亡くなり、以降6年間沈黙する。そして誰もがもう引退してしまったと思っていた2006年、「再起」を発表、彼は復活する。
この時すでに85歳、まるで彼の小説を連想させるようなこの復活劇は、ファンの胸を熱くさせた。
ちなみに「再起」は、シリーズ屈指のヒーロー、シッド・ハレーの4回目の登場だったこともあり、より味わうために前3作を読み返してから読みました。「再起」以降の3作だけは、まだ未読。楽しみにとっておこう。
ディック・フランシスを未読の方は、だまされたと思って1冊読んでみて欲しい、男の不屈の精神に熱くなり、奮い立つこと間違いなし。(競馬に興味なくても全く問題なし!)
余談だけど、以前、電車でディック・フランシスを読んでいたら、偶然にも隣に立っていたスーツを着た年配の男の人もディック・フランシスのハード・カバーを読んでいて、なんか嬉しくなったのを思い出した。
謹んでご冥福をお祈りします。