
「雪に閉ざされた村」 ビル・プロンジーニ
中井 京子訳 扶桑社ミステリー 1974年発行
「クリスマス気分が盛りあがる山間の村。そこは、さまざまな人生模様が交錯する、ひとつの小宇宙だ。だが、猛烈な吹雪で雪崩が発生、幹線道路は分断され、村は外界から孤立した。折悪しく、村はずれには秘密裏に3人の犯罪者が忍びこんでいた。その邪悪なリーダーは、住民全員を抹殺する、おそるべき計画を練りはじめた…果たして村人たちに生き残る道はあるのか?」
「名なしのオプ」シリーズで有名なビル・プロンジーニの初期の作品。
いくつもの伏線をじわじわと張り巡らせ、一気にたたみかけるように展開していくプロットが素晴らしい。職人的なストーリー展開の巧さが光る骨太なハードボイルド作品。
ちなみにプロンジーニは70年代にネオハードボイルドの流れに乗って、名無しの探偵を登場させ、現在に至るまで、多方面に渡る作品を発表し続けている作家。
彼の作品もウエストレイクと同じく絶版が多いのが悩ましいところ。古本屋で見つけたら迷わず買うことにしている。










